子どもの前では優しい夫でもモラハラ?「子どもにはいい父親だから」と離婚を迷っている人へ
「私にはひどいことを言う。でも、子どもには優しい」
休日には子どもと遊んでくれる。
学校行事にも参加する。
子どもの誕生日にはプレゼントを選んでくれる。
旅行にも連れて行ってくれる。
子どもも、
「パパ大好き」
と言っている。
だから夫婦関係が苦しくても、
「子どもから父親を奪っていいのかな」
と思う。
自分だけなら離れたい。
でも、子どものことを考えると決められない。
「夫としてはつらいけれど、父親としてはいい人なのかもしれない」
「私が我慢すれば、子どもは今の家庭で暮らせる」
そんなふうに考えて、離婚するかどうか何年も迷っている人もいると思います。
この問題には、
「子どもに優しいなら離婚しない方がいい」
とも、
「妻にモラハラするならすぐ離婚した方がいい」
とも、簡単には言えません。
だからこそ、
「子どもには優しい」という一部分だけではなく、家庭全体を見て考えること
が大切だと思っています。
「夫として」と「父親として」は分けて考えていい
夫婦関係と親子関係は同じではありません。
妻との関係では問題があっても、子どもには愛情を持って接している人もいます。
「妻に対して問題のある言動がある=父親としてのすべてが悪い」
と決める必要はありません。
反対に、
「子どもと遊んでくれる=夫婦関係にも問題がない」
とも言えません。
例えば、
子どもとは笑って遊んでいる。
でも妻が意見を言うと怒鳴る。
子どもの前では普通に話しているのに、二人きりになると妻を無視する。
子どもには欲しいものを買ってあげる一方で、妻が生活費について聞くと怒る。
そんなこともあり得ます。
父親として子どもにどう接しているか。
そして、
夫として妻にどう接しているか。
一度分けて考えてみてください。
子どもに直接何もしていなければ影響はない?
ここで、もう一つ考えてほしいことがあります。
「夫は私には怒るけれど、子どもには怒らないから大丈夫」
と思っている場合です。
でも子どもは、親同士の関係を見たり感じたりしていることがあります。
例えば、
夫が帰宅すると母親が急に静かになる。
父親の機嫌が悪い日はテレビの音を小さくする。
母親が、
「今日はパパ機嫌悪そうだから静かにして」
と言う。
両親が話している途中で父親の声が大きくなる。
母親が泣いている。
父親が母親を何日も無視している。
子どもに直接強い言葉を向けていなくても、
家庭の中で起きていることを、子どもが感じ取っている可能性はあります。
確認したいのは、
「子どもに怒鳴っているか」
だけではありません。
「子どもは、この家庭で安心して過ごせているだろうか?」
ということです。
「子どものために我慢する」が本当に唯一の選択なのか
子どものために家庭を維持したい。
そう思うこと自体を否定する必要はありません。
住む場所。
学校。
友達。
生活水準。
経済的な問題。
父親との関係。
離婚によって変わるものはたくさんあります。
「子どものために簡単に離婚できない」
という考えは現実的なものでもあります。
ここで一度だけ確認してほしいことがあります。
「子どものために離婚しない」のか。
それとも、
「離婚後の生活が不安だから離婚できない」のか。
この二つが混ざっていないでしょうか。
例えば、
自分の収入だけでは生活できない。
住む家がない。
仕事がない。
子どもの学校を変えたくない。
一人で育てられる自信がない。
こうした不安があるなら、
「子どものため」という言葉だけでまとめず、
一つずつ分けて考えた方が、必要な準備が見えやすくなります。
「パパ大好き」と言われると決断できなくなる
子どもが父親を好き。
これは離婚を考えている母親にとって、大きな迷いになることがあります。
「パパと離れたくない」
と言われたらどうしよう。
「ママのせいでパパと暮らせなくなった」
と思われたらどうしよう。
そんな不安もあるでしょう。
子どもが父親を好きな気持ちと、
夫婦関係についてどうするかは、
完全に同じ問題ではありません。
子どもの気持ちは大切です。
同時に、
母親が家庭の中でどんな状態で生活しているかも大切です。
どちらか一方だけを見て答えを出すのではなく、
家庭全体を考える必要があります。
「子どもにはいい父親」と感じている時に確認したい5つ
離婚するかどうかを決めるための診断ではありません。
今の家庭を少し客観的に見るために考えてみてください。
1.子どもは父親の機嫌を気にしていない?
「今日パパ怒ってる?」
「これ言ったら怒られる?」
「今は話しかけない方がいい?」
そんな言葉が出ていないでしょうか。
子ども自身も父親の表情や声を確認するようになっているなら、その様子も見てみてください。
2.子どもの前で妻を否定していない?
子どもには直接優しくても、
「ママは何もできないから」
「ママは頭が悪い」
「全部ママのせい」
などと、子どもの前で妻を否定する。
もしこうした言動があるなら、
「子どもに優しいか」だけではなく、
子どもの前で夫婦がどう関わっているか
も考える必要があります。
3.子どもがいる時といない時で態度が大きく変わる?
子どもがいる時は優しい。
二人きりになると態度が変わる。
もし差が大きいなら、
自分が家庭の中でどんな関係を経験しているのかを整理してみてください。
4.私は「子どものため」という言葉で何を我慢している?
離婚しないこと。
仕事を始めないこと。
友達に相談しないこと。
自分のお金を持たないこと。
夫に意見を言わないこと。
本当にすべて、
「子どものため」
でしょうか。
それとも、その中に自分自身の不安もあるでしょうか。
不安があることは悪いことではありません。
ただ、分けて考えることで対策できるものもあります。
5.今の家庭を子どもが将来「夫婦の普通」だと思ったら?
少し先のことを考えてみてください。
子どもが大人になった時、
今の家庭の関係を、
「夫婦ってこういうものなんだ」
と考えたとしたら。
自分はどう感じるでしょうか。
この質問だけで離婚を決める必要はありません。
自分が子どもにどんな人間関係を見せたいのか
を考えるきっかけにはなると思います。
子どものために「離婚する・しない」だけを考えなくてもいい
夫婦問題に悩むと、
選択肢が、
離婚する。
離婚しない。
この二つだけに見えてしまうことがあります。
でも、その前にできることもあります。
家計を把握する。
自分の収入を作る方法を考える。
仕事を探す。
住まいについて調べる。
子どもの学校について確認する。
相談できる場所を知る。
必要な制度について調べる。
自分自身の気持ちを整理する。
こうした準備をしたからといって、
必ず離婚しなければならないわけではありません。
離婚しないという選択も含めて、自分で選べる状態を作るための準備
です。
「いい父親だから」だけで自分の苦しさを消さなくてもいい
夫が子どもを大切にしている。
子どもも父親を好き。
その事実を否定する必要はありません。
同時に、
自分が夫婦関係で苦しんでいるなら、
その事実まで消す必要もありません。
「子どもにはいい父親」
と、
「私は夫婦関係で苦しい」
は、同時に存在することがあります。
だから、
どちらかを嘘にしなくてもいい。
そのうえで、
これから家庭をどうしていくのかを考えていけばいいと思います。
離婚する・しないより「親子でどう暮らしたいか」を考える
「子どもの前で妻にモラハラするなら離婚した方がいい」
と一律に離婚を勧める立場ではありません。
家庭によって状況は違います。
関係を改善する人もいます。
今は離婚しない人もいます。
別居して考える人もいます。
離婚を選ぶ人もいます。
「子どものためだから」
という言葉だけで、自分自身の人生について考えることを止めなくてもいいと思っています。
一度、
「離婚する?」
ではなく、
「私は子どもとどんな毎日を送りたい?」
と考えてみてください。
家の中で安心して笑える。
誰かの機嫌を読まなくていい。
子どもの教育について落ち着いて考えられる。
自分も仕事をする。
生活できる収入を作る。
安心して暮らせる住まいを持つ。
そんな具体的な生活を考えていく。
今の生活を続けるなら何が必要なのか。
離れるなら何が必要なのか。
少しずつ見えてきます。
離婚する。
離婚しない。
今はまだ決めない。
どの道を選ぶとしても、
「子どものために我慢するしかない」ではなく、親子の生活を自分で選べる状態を作る。
私は、その準備が大切だと思っています。
夫が子どもと楽しそうに遊んでいる姿を見て、
「やっぱり離婚しない方がいいのかな」
と思った時。
すぐに答えを出さなくてもいい。
ただ、もう一つだけ自分に聞いてみてください。
「私と子どもは、この家で安心して暮らせている?」
そこから考えてみてもいいと思います。
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