「夫婦喧嘩なんて、どこの家庭にもあるよね」

「私だって言い返すことがあるから、夫だけが悪いわけじゃない」

「怒鳴られることはあるけれど、これくらい普通なのかな」

「ネットでモラハラの特徴を見ると当てはまる。でも、本当にモラハラなのか分からない」

 

 

夫婦関係に悩み始めると、

「これは普通の夫婦喧嘩なのか。それともモラハラなのか」

分からなくなることがあります。

 

 

特に長い間同じ生活を続けていると、その家庭の中では当たり前になっていることもあります。

 

 

でも私は、一つの言葉や一度の喧嘩だけを見て、

「あなたの夫はモラハラです」

と簡単に判断することはできないと思っています。

 

 

では、何を見ればいいのでしょうか。

 

大切なのは、喧嘩の回数だけではありません。

 

二人の関係が対等なのか。

 

そして、

あなたが安心して自分の意見を言える関係なのか。

 

まずはそこから考えてみてほしいと思います。

 

 

夫婦喧嘩がある=モラハラではありません

 

夫婦で生活していれば、意見が合わないことはあります。

 

 

お金の使い方。

子育て。

家事。

仕事。

休日の過ごし方。

親族との付き合い。

夫婦だからといって、すべて同じ考えになるわけではありません。

 

 

時には感情的になって、

「もう知らない」

「なんで分かってくれないの?」

と言ってしまうこともあるでしょう。

 

 

だから、一度感情的な喧嘩をしたことだけで、すぐにモラハラと決めることはできません。

 

 

重要なのは、

「喧嘩をしたかどうか」より「意見が違った時に二人の関係がどうなるか」

です。

 

同じ「言い争い」でも関係性は違う

 

例えば、こんな夫婦がいたとします。

 

妻が、

「最近、家事の負担が大きくて疲れている」

と夫に話した。

 

夫は、

「俺だって仕事で疲れてるよ」

と言った。

 

妻も腹が立って、

「私だって仕事してるよ」

と言い返した。

 

その日は少し険悪になったけれど、翌日、

「昨日はお互い言い方が悪かったね」

と話し合い、家事についてもう一度考えた。

 

これは、少なくともこの場面だけを見てモラハラとは判断できません。

 

 

では、別のケースではどうでしょう。

 

妻が同じように、

「最近、家事の負担が大きくて疲れている」

と話した。

 

すると夫から、

「お前は本当に要領が悪いな」

「他の奥さんは普通にやってるだろ」

「俺に文句を言う前に自分の能力を考えろ」

と言われた。

 

妻が説明しようとすると、

「言い訳するな」

と言われる。

 

その後、何日も無視される。

 

妻は次第に、

「また怒られるから、もう何も言わない方がいい」

と思うようになった。

 

同じ「家事についての意見の違い」でも、関係はかなり違います。

 

見てほしいのは「どちらが強い言葉を使ったか」だけではありません

 

「私も言い返したことがあります」

「私も怒鳴ったことがあります」

だから、

「私もモラハラなのかもしれない」

と悩む人もいます。

 

もちろん、自分自身の言動を振り返ることは大切です。

 

でも、

一つの言葉だけを切り取って、夫婦関係全体を判断することはできません。

 

 

例えば、

普段は自分の意見をほとんど言えない人が、限界になって一度強く言い返した。

その一場面だけを見て、

「お互い様」

と判断してしまうと、それまでの関係性が見えなくなることがあります。

 

逆も同じです。

 

夫の発言だけを一つ切り取って、

「この言葉を言ったからモラハラ」

と決めることもできません。

 

だから私は、

単発の言葉ではなく、関係全体を見ること

が大切だと思っています。

 

モラハラか迷ったときに確認したい5つのこと

 

「夫がモラハラかどうか」を診断するためではありません。

 

自分の置かれている関係を整理するために、次の5つを考えてみてください。

 

1.私は夫に「NO」と言える?

 

例えば、

「今日は疲れているから行きたくない」

「私はそれには賛成できない」

「その言い方は嫌だった」

と言えるでしょうか。

 

そして、言ったあとに必要以上の恐怖を感じていないでしょうか。

 

夫婦で意見が違うこと自体より、

違う意見を持つことが許されているか

を見てみてください。

 

2.話し合いのあとに解決へ進める?

 

夫婦喧嘩をしても、

「じゃあ次からどうしよう」

という話に進める関係もあります。

 

一方で、

何を話しても過去の失敗を持ち出される。

人格を否定される。

話題をすり替えられる。

一方的に会話を終わらせられる。

最後にはいつも自分が謝って終わる。

 

そんな状態が繰り返されているなら、

「喧嘩が多い」というだけではなく、話し合いそのものが成立しているのかを考える必要があります。

 

3.夫の機嫌で自分の行動を変えていない?

 

「今日は機嫌が悪そうだから話すのをやめよう」

 

これは誰にでもあることかもしれません。

 

でも、

何を着るか。

何を買うか。

誰と会うか。

何時に帰るか。

何を話すか。

子どもに何をさせるか。

 

 

日常のさまざまな判断を、

「夫が怒らないか」

を基準に決めるようになっているなら、一度立ち止まって考えてみてください。

 

4.問題が起きるたびに「私が悪い」で終わっていない?

 

「お前が怒らせたから」

「お前の言い方が悪かった」

「普通の妻ならそんなことはしない」

「お前が変われば俺も怒らない」

こうした言葉を繰り返し聞いているうちに、

「確かに私が悪いのかもしれない」

と思うようになることがあります。

 

 

もちろん、自分に改善すべき部分がある場合もあります。

 

 

でも、

相手の行動の責任まで、すべて自分が背負う必要はありません。

 

 

夫婦の問題と、それぞれの言動の責任は分けて考える必要があります。

 

5.私はこの家で安心して生活できている?

 

これがとても重要な問いだと思っています。

 

夫が帰宅する時間になると緊張する。

玄関の音で身体が固くなる。

LINEが来ると怖い。

夫の表情を見て、その日の空気を判断する。

言いたいことがあっても飲み込む。

 

子どもにも、

「今日はパパ機嫌悪そうだから静かにして」

と言っている。

 

 

もしこうした生活が日常になっているなら、

「これはモラハラという名前がつくのか」

だけではなく、

「なぜ私は自宅でこんなに緊張しているのだろう」

と考えてみてください。

 

「モラハラかどうか」が分からなくても、準備はできます

 

検索を続けて、

「やっぱりモラハラだ」

と思う日もあれば、

 

夫が優しくしてくれて、

「私が考えすぎだったのかな」

と思う日もあるかもしれません。

 

 

でも、今すぐ名前をつけなくてもできることがあります。

 

 

自分が嫌だった出来事を書いておく。

家計を把握する。

自分名義のお金について確認する。

仕事について考える。

住まいについて調べる。

信頼できる人や相談先を知っておく。

 

 

そして、

「私は本当はどう暮らしたい?」

と考える。

 

 

これは離婚を決意した人だけがする準備ではありません。

 

自分の選択肢を増やすための準備です。

 

 

離婚する・しないより先に「選べる状態」を作る

 

「モラハラなら離婚した方がいい」

と一律に離婚を勧める立場ではありません。

 

 

夫婦関係を改善したい人もいるでしょう。

 

今は離婚しないと決める人もいます。

 

別居して考える人もいます。

 

離婚を選ぶ人もいます。

 

その答えは、一人一人違います。

 

 

ただ、

「離婚したくても生活できないから離婚できない」

という状態と、

「離婚することもできるけれど、私は今は離婚しないと決めた」

という状態は違います。

 

 

だから大切なのは、

離婚する勇気を持つことより、離婚する・しないを自分で選べる生活基盤を作ること。

 

 

モラハラか。

普通の夫婦喧嘩か。

その答えを探すことも必要かもしれません。

 

 

でも、それと一緒に考えてほしいことがあります。

 

 

「私はこの家で安心して暮らせている?」

「私は自分の意見を言えている?」

「私は何を我慢している?」

「この関係が5年後も同じだったら、私はどう思う?」

 

 

そして最後に、

「私はこれから、どんな人生を生きたい?」

夫を基準に答えを出すのではなく、

自分自身を主語にして考えてみてください。

離婚するかどうかを今日決めなくてもいい。

 

 

でも、

自分の人生を自分で選べる状態を作ることは、今日から始められます。

 

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