「夫の言い方が怖い」

「何を言っても結局、私が悪いことになる」

「機嫌を損ねないように、いつも言葉を選んでいる」

「離婚したいと思うこともある。でも、本当に離婚していいのか分からない」

「子どものことやお金を考えると動けない」

そんな状態が続いていると、

「これってモラハラなのかな?」

と検索することが増えるかもしれません。

 

 

でも、実際に悩んでいる本人にとって重要なのは、モラハラという言葉に当てはまるかどうかだけではありません。

 

 

今の生活の中で何が起きているのか。

自分は何に困っているのか。

もし今の生活を続けるなら何が必要なのか。

もし離れるなら何を準備する必要があるのか。

まずは、そこを一つずつ整理していくことが大切だと私は考えています。

 

 

「モラハラかどうか」だけで答えを出そうとすると苦しくなる

 

 

夫婦喧嘩をしたからといって、すべてがモラハラになるわけではありません。

 

 

夫婦で意見がぶつかることもあります。

感情的になってしまうこともあります。

お互いに言い過ぎてしまうこともあるでしょう。

 

 

一つの出来事だけを切り取って、

「夫はモラハラです」

と簡単に決めつけることはできません。

 

 

一方で、

・怒らせないように常に顔色をうかがっている

・自分の意見を言うことが怖い

・何を話しても自分が悪いという結論になる

・生活費を十分に渡してもらえず困っている

・友人や家族との付き合いを制限されている

・無視や威圧が繰り返されている

・物を壊す、怒鳴るなどの行為がある

・子どもの前でも強い威圧や暴言が続く

など、生活そのものに影響が出ている場合には、

「モラハラかどうか」

という名前だけではなく、

「私はこの生活で何に困っているのか」

を確認してほしいと思います。

 

 

なぜ離婚するかどうか決められなくなるのか

 

「そんなに嫌なら離婚すればいい」

第三者から見ると、そう思うこともあるかもしれません。

でも実際の生活は、そんなに単純ではありません。

 

 

子どもの学校はどうするのか。

これからどこに住むのか。

今の収入で生活できるのか。

仕事を続けられるのか。

保育園や学童はどうするのか。

離婚後の生活費はどうなるのか。

財産や住宅はどうするのか。

相手に離婚の話をしたらどうなるのか。

 

 

そして、

「本当は変わってくれるかもしれない」

「良かった時期もあった」

「子どもから父親を奪ってしまうのではないか」

「私にも悪いところがあったのではないか」

そんな気持ちが混ざることもあります。

 

 

離婚したい。

でも怖い。

離れたい。

でも迷う。

もう限界だと思う。

 

 

でも翌日になると「まだ大丈夫かもしれない」と思う。

 

このように気持ちが揺れること自体は、不思議なことではありません。

 

 

「離婚する・しない」の前に確認してほしいこと

 

 

私は、夫婦問題の相談を受けるとき、

「離婚した方がいい」

というところから考えるのではなく、

その人が自分で選べる状態になっているか

を大切にしています。

 

 

例えば、

「離婚したいけれど、収入がないから離婚できない」

という状態と、

「生活できる収入や住まいの見通しはある。そのうえで今は離婚しないと決めている」

という状態。

 

 

結果だけを見ると、どちらも「離婚していない」です。

 

 

でも、本人が持っている選択肢はまったく違います。

 

 

だから私は、

離婚するかどうかを決めることより、

自分で決められるための土台を作ること

が先に必要な場合もあると思っています。

 

 

今日から確認できる5つのこと

 

 

まず、紙やスマートフォンのメモでも構いません。

 

次の5つを書き出してみてください。

 

1.今、一番困っていることは何か

 

「夫がモラハラだから」だけではなく、もう少し具体的にします。

例えば、

「話し合いができない」

「生活費が足りない」

「怒鳴られることが怖い」

「子どもへの影響が心配」

「自分名義の貯金がない」

などです。

 

 

問題が具体的になるほど、必要な対策も考えやすくなります。

 

2.自分のお金の状況を知る

 

毎月いくら必要なのか。

自分の収入はいくらなのか。

貯金はいくらあるのか。

家賃はいくらくらい必要なのか。

今後増やせそうな収入はあるのか。

ここでは、すぐに「稼がなければ」と考える必要はありません。

 

 

まず現在地を知ることです。

 

3.住まいについて調べる

 

もし別居するとしたら、どこで生活するのか。

実家に戻れるのか。

賃貸住宅を借りるのか。

子どもの学校を変える必要があるのか。

利用できる公的支援や住宅制度があるのか。

 

自治体によって制度や条件が異なるため、利用を考える場合は最新情報の確認が必要です。

 

 

4.相談先を持つ

 

友人や家族だけではなく、必要に応じて専門機関に相談することも選択肢です。

DVについては、内閣府の「DV相談ナビ」から地域の配偶者暴力相談支援センター等につながる仕組みがあります。

 

法律について確認したい場合には、弁護士への相談や法テラスなどを利用できる場合もあります。

 

利用条件や受付方法などは変更される可能性があるため、利用時には公式情報を確認してください。

 

5.「5年後どう暮らしていたいか」を考える

 

これは、

「離婚したいですか?」

という質問とは違います。

 

 

どんな家で暮らしたいのか。

どんな仕事をしていたいのか。

子どもとどんな時間を過ごしたいのか。

毎月どれくらいの収入があれば安心できるのか。

休日をどう過ごしたいのか。

人間関係の中で、どんな自分でいたいのか。

一度、夫を主語から外して考えてみてください。

 

 

「私は、どんな生活をしたいのか」

ここが見えてくると、そのために今必要な準備も少しずつ見えてきます。

今すぐ離婚する・しないを決めなくてもいい

 

 

夫婦問題で悩んでいると、

「離婚するの?」

「しないの?」

という二択で考えてしまいがちです。

 

 

でも、その間にできることはたくさんあります。

 

 

お金について調べる。

仕事について考える。

住まいについて調べる。

法律や制度を確認する。

相談できる人を増やす。

必要な情報を整理する。

自分の気持ちを書き出してみる。

離婚するかどうかは、そのあとに考えてもいい。

 

 

ただし、身体的な暴力、脅迫、身の危険を感じる行為などがある場合は、「ゆっくり考えればいい」と一律に考えず、安全確保を優先してください。

 

 

大切なのは「離婚すること」ではなく「選べること」

 

経済的自立や精神的自立という言葉を聞くと、

「一人で生きていけるようにならなければ」

と思う人もいるかもしれません。

 

 

私は、そういう意味だけではないと思っています。

 

 

誰にも頼らないことが自立なのではなく、

必要な人や制度を頼りながら、

自分の生活について自分で考え、

自分で選択できる状態を少しずつ作っていくこと。

 

 

離婚する。

離婚しない。

別居する。

今はまだ動かない。

仕事を始める。

収入を増やす。

住む場所を変える。

 

 

どの選択をするにしても、

「他に方法がないから」ではなく、

「私はこれを選ぶ」

と言える状態を作ること。

 

 

そのために必要なのは、

今日すべてを決めることではありません。

 

 

まず、

「今の私は何に困っている?」

「何があれば選べるようになる?」

「5年後、私はどんな生活をしていたい?」

そこから考えてみてください。

 

 

離婚するための準備ではなく、

自分の人生を自分で選ぶための準備。

私は、その土台を作ることがとても大切だと思っています。

 

 

次に読んでほしい記事テーマ

  1. 離婚したいけどお金が不安な人へ|最初に整理したい「生活費・仕事・住まい」のこと
  2. 夫の機嫌ばかり気にしてしまう|自分の気持ちが分からなくなったときに確認したいこと
  3. 離婚するか迷っているときの準備リスト|今すぐ離婚しなくてもできること